Claude SkillsとAgent Builderにみる音楽性の違い

あと忘れちゃう前にDreamforceまわりのうんぬん
らんぶる 2025.10.20
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最近AIの話ばかりでSaaSのニュースレターであることを忘れそうになるが、SaaSの本質が第一にデータのフロントエンドであり、そのデータアクセスにまつわるワークフローの自動化標準化を担うものであることは、古参の読者なら周知のことと思う。そしてSaaSがオワコン化した今、その役割をAgentなるものが担うと考えられている。

そもそもAgentって何よ

ではAgentは何かというと、Simon Willisonが掲げる「目的達成のためにLLMのループを回すこと」という定義がしっくりくる。この手続き的なニュアンスを持つ定義は絶妙であり、現に多くのAgent的なサービスはワークフロー的なものとして世に送り出されている。ドイツ発のワークフローサービスn8nも、中国発のDifyも、それらをなんとはなしにパクったOpenAIのAgent Builderもすべて手続き的ワークフローの中でAIに定期的なアウトプットを求めるという設計となっている。これらのツールの共通点は、Agentの基本表現としてワークフローの可視化(より正確には有向非巡回グラフ)を採用しているという点にある。

Anthropicがおもしろいのは、「LLMをループさせる」というAgent的タスクの実行フローをユーザーに意識させないように設計している点にある。それもそのはず、AnthropicはワークフローとAgentを異なるものとして捉えており、それは昨年末に発表されたBuilding Effective Agentsの中ではっきりと定義されている(nani.nowで翻訳)。

ワークフローは、LLMとツールが事前定義されたコードパスを通じて連携されるシステムです。一方、Agentは、LLMが自身のプロセスとツールの使用を動的に指示し、タスクをどのように達成するかを制御するシステムです。

Anthropicも当然Agentは提供しているが、そのアプローチは当然異なる。技術者向けツールであるClaude Codeも、Agent作成のためのSDKも一切可視化機能は提供していない。Claudeはあくまでゴール設定に重きを置いており、ワークフローの可視化なぞデモ映え要員でしかないと考えているに違いない。

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