Cursor 2.0考察
Intelligence Market Fit(IMF)の文脈でも触れたCursorについて書こう書こうと思っているうちに、Cursor 2.0およびプログラミングに特化した独自LLM「Composer 1」が発表されてしまった。言わずと知れたAI時代のコードエディタだが、その利用用途は伝統的プログラミングの補助やバイブコーディングに留まらず、非エンジニアによる文章作成など多岐に渡る。ローンチから2年あまりで急激な成長を見せ、AIネイティブSaaSの金字塔と呼ぶに相応しい地位を確立している。
IMF改善としてのComposer 1
Cursorの最大の特徴は、エディタを離れなくてもAIが使える点だろう。しかもそのAIも目的によってユーザーの方で使い分けたり、またはCursorに自動的に選んでもらうことができるため、ChatGPTやClaudeの画面と往復しながら開発するといった手間が省ける。エディタに文字を書いている時の自動補完のスピードと精度も素晴らしく、創業CEOのTruell氏曰く、この自動補完の完成度の高さは、ユーザーが提供するデータを学習して作り込まれた独自AIエンジンの賜物らしい。
一方プログラムの分析や設計の発案、そして実際にコードを書く業務に関しては、第三者LLMを活用してきた。タスクの内容に応じて最適なモデルを選ぶオート機能は存在していたが、オートの裏にはGPTやClaudeといった既存のモデルがあるだけで、Cursor独自のモデルというものは提供してこなかった。露悪的に言うならば、あくまでCursorのAI機能は、自動補完を除き既存LLMの薄いラッパーでしかなかった。
そこで発表されたのが今回のComposer 1である。