ChatGPTコネクタという鬼畜ムーブ
今年一月、当ニュースレターはSaaSは呼び出す側と呼び出される側に二極化すると述べ、「呼び出される側にまわるSaaSの競争力は下がる。AIからすればSaaSに求めるのはデータと文脈の提供でしかないので、それはAPIさえあれば十分であり、今後画面操作機能が向上し画像認識の精度が向上するならば、APIがなくてもデータを引き抜けるようになるだろう」と予想した。幸いにも予想の後半部分はまだ現実化していないが、少なくとも前半部分はChatGPT Connectorsの到来で確かな現実となった。
コネクタの種類は以下の4つとなる。
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Chat Search:今やどのLLM as a Serviceも兼ね備えるようになったウェブ検索の延長線的な立ち位置で、企業独自のデータソースを検索できるようになる。現状個人向けプランでは公開されておらず、企業向けプランでもMicrosoft OneDrive/SharePoint、Google Drive、Box/Dropboxというファイル管理サービスのみサポートされている。
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Deep Research:2月に発表されたDeep Researchは公開ウェブの情報しか参考にできなかったが、そこに企業特有のデータも情報源として追加できるようになった。こちらはChat Searchと異なり個人向け・企業向けプラン問わず既に複数のSaaSサービスが使えるようになっている。
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(Google Drive向け)Synced Connector:Google Driveと同期しており、ほぼリアルタイムでGoogle Driveの中身が検索できるようなっている。
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Custom Connector:要はMCPの受け口で、こちらは現在のところDeep Researchの情報取得対象となっているのみ。
これら4つのコネクタはそれぞれOpenAIという会社の方向性およびプロダクト哲学を如実に反映している。