抽象化レイヤーの陣取りゲーム
SaaS業界の大御所Salesforceが今月に入って業界を沸かせている。まずはCo-CEO Bret Taylor氏の退任が先月末に発表された。Taylor氏は新卒Google(Google Mapsのローンチメンバー)→Friendfeed起業→Facebook CTO(Friendfeed買収)→Quip起業→Salesforce CPO(Quip買収)→Salesforce co-CEO(President & COO経由)というピッカピカの経歴の経営者で、創業CEOであるMarc Benioff氏の後継者として期待されていた。しかし前回のBenioff-Block co-CEO体制同様、今回もco-CEOは2年と続かずに終わることとなり、Taylor氏退任のニュースから数日と経たないうちに、今度はSlackの創業者であるStewart Butterfield氏の辞任が発表された。SalesforceによるSlack買収はTaylor氏が主導したとされており、買収完了から一年半のうちに、$28B(≒3,800億円)の大型M&Aの主関係者二人が、ほぼ同時に会社を去ったことになる。TechCrunchいわく、10月にCRMの大量保有を公開したアクティビストファンドStarboard Valueは、Bret Taylorのことを次世代の経営陣として気に入っていたようで、一連のBoxでのプロキシ抗争に続きタイミングの悪さとセンスのなさを露呈する結果となった。
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