SaaS IPOの炭鉱のカナリア

そろそろKlaviyoについてコメントしておくか
らんぶる 2023.09.19
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今週Klaviyoが上場する。

ECに特化した顧客コミュニケーションプラットフォームとして、驚きの年間$580M(≒850億円)の売上を叩き出すボストン発のSaaSだ。米国連銀の一時的かつ恒久的インフレに対する後手後手かつ早急な利上げは、利率ほぼ0%のDCFに企業価値を委ねていたSaaS企業の上場計画を、軒並み焼き払った。しかし連銀の利上げダッシュも落ち着き、インフレも落ち着き、株価もなぜか好調な今、ファンドの償還が迫るVCたちはポートフォリオ企業の上場に余念がない。大損するくらいなら市況と想定マルチプルがもう少し回復するまで待ちたいが、今やAIの時代であり、SaaSのような前時代の遺物はとっとと現金化したいというのが本音だろう。そんなマクロ事情もあり、数年前ならTechCrunchとWSJがコタツ記事を書いて終わりだったであろう、「たかが」メール配信プラットフォームのIPOに、業界中の耳目が集まっている。

当ニュースレターも、昨年まではKlaviyoにはさほど注目していなかったのだが、S-1を眺めていて、その売上規模、そして成長率の高さとGTMの効率さに驚き、少しずつ調べていた。上場してしまう前に話題に乗ってみようと思う。

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