早春、それは変化の季節
Snowflakeについて色々と調べているうちに、各社の業績報告が始まっていた。SaaSは2月始まりの会社が少なくないので、本番は3/1以降となるが、待っていても書くことが増え続けるだけなので、とりあえず12月までの業績が出ている各社について分析していく。
SaaSに限ったことではないが、大体の外資系IT企業のGTM職の人は、何らかの業績連動ボーナスがあり、第四四半期は、年間予算達成者にとって二重の意味でボーナスタイムとなり得る。この難しい時期に予算を達成された方々のがんばりには敬意を表したい。そして是非とも気持ちよく散財して、日本経済を活気づけてほしい。
あと期末ギリギリで、comp的に達成率200%超えたことによる傾斜がかかった状態でした。これが期をまたいだら半分以下になってたでしょうねー、、、運が良かった🥹
Palantir + Cloudflare:意外そうで意外でないコンビ結成
Palantir単四半期黒字化達成のニュースはおめでたい一方で、今まで散財に散財を重ねてきた会社が、ごく普通の経営を始めたことで黒字化しただけなので、特筆する話は何もない。その一方で、Cloudflareとの協業のニュースは非常に興味深いものであった。Palantirのプレスリリースから引用する(DeepLで翻訳後微修正・強調は筆者)。
顧客が複数のクラウドベンダーを利用している環境では、クラウドの支出を理解することはとりわけ複雑です。組織がワークロードの多くをクラウドに移行するにつれ、ワークロードの複雑さとコストは増大しています。さらに、企業はクラウド費用の詳細な可視化に苦労していることが多く、クラウド費用を容易に管理する能力もますます低下しています。財務担当役員からインフラエンジニアに至るまで、関係各所は最適化と分析のために協力し合い、クラウドの効率性を担保し続ける必要があります。「クラウド契約をつなぎ合わせ、チーム、ワークフロー、社内関係者の間で評価することは、本質的にデータ統合の課題」と PalantirのCOOであるShyam Sankarは述べています。「Palantir Foundryがマルチクラウドのコストを削減し、Palantir ApolloがDevOpsの負担を軽減して顧客の粗利を改善する一方で、Cloudflareが最新のクラウド・アーキテクチャを提供する道筋を提供し、顧客のクラウド選択を制限せずに有意義なコスト削減を実現することが、今回のパートナーシップの目的です」
これだけ読んでも何が何だかわからないので、まずは各製品の立ち位置を整理するとこうなる。
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Foundry:Palantirが提供している、汎用的データ分析のためのツール。データの取り込み、加工と整形、可視化、機械学習モデル構築、データのバージョン管理など、様々なデータ分析用途で利用されている。今回の例で言えば、AWS・Azure・GCPの利用状況のデータを取り込んで分析することで、クラウド利用費用の最適化に役立てようとしている。
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Apollo:Palantirが自社製品を多種多様な環境で利用可能にするために開発したツール。いわゆるCI/CD(Continuous Integration/Continuous Delivery)と呼ばれるものだが、Palantir謹製であるということ以外のメリットはよくわかっていない。ここで重要なポイントは、Apolloがあることで、Foundryがどのハイパースケーラーの上でも動くという点だ。
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Cloudflare:詳しい説明は以前書いた詳説記事に譲るが、この文脈では、ハイパースケーラー三社のサービスを部分的に代替するベンダーとして登場している。具体的には、Amazon S3などのオブジェクトストレージの代わりにR2を、GCPのCloud SQLなどのDatabase as a Serviceの代わりにD1を、そしてハイパースケーラー各社が提供する仮想サーバーの代わりにCloudflare CDNのエッジノードで走るFunctionsを提供することで、「顧客のクラウド選択を制限せずに有意義なコスト削減を実現」する役割を果たす。