実体経済という重力②

マクロの逆風の中でクラウドに舵を切るMongoDB
らんぶる 2022.09.19
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前半でも述べたが、直近の業績報告ではしぶといインフレや地政リスクに起因する経済の見通しの不透明さもあり、順調そうにみえるSaaS企業に対しても厳しい質問が飛ぶというのが全体的なトレンドとなっている。

MongoDBとてそれは例外ではない。前四半期までは上昇トレンドにあったRule of 40の数字も落ち込み、FCFベースでは一年ぶりに40%ラインを割った。

前回MongoDBについて分析した際、当該ニュースレターは以下のように述べており、今回アナリストからの質問の嵐になるのも頷ける。

しかし最近二四半期では売上の成長率も再加速する一方、不況を見据えたコスト管理も進んでおり、今四半期はNon-GAAPではあるが初めて経常利益を出している。FCF粗利率も最近二四半期で6%と3%とポジ転しており、財務の足腰の強さをアピールできている。
https://tamuramble.theletter.jp/posts/f3f13160-f05e-11ec-8b84-5753d70d9bea

予想を外しただけでは流石にカッコ悪いので10-Qを改めた眺めたところ、対前四半期で粗利率が2%落ち込み71%となっている。Subscriptionの荒利率は76%と変わっていないのだが、ロスリーダーであるServicesの粗利率が-26%から-40%に下がっており、これが経常利益率とFCFを圧迫したとみて良いだろう。

実際Professional Servicesのコスト(ほとんどは人件費)が全体に占める割合もじわじわと上がってきている。

X軸は決算年度で表示

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  • クラウド化が順調なのになぜPSコストが増えるのか
  • メタプラットフォームとしての第二章

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