Snowflake:優勝請負人の三度目の挑戦②

SaaSの定石に囚われない人事戦略
らんぶる 2023.01.30
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第一回目の記事は思わぬ反響で驚いた。ツイッターなどで宣伝して下さったりもした既存読者、そして前回の記事で購読を決めてくださった新しい読者にお礼を述べたい。前回の結びでも述べたように、今回はSnowflakeの課金モデルから考察していく。

消費型モデルとSaaS営業のひずみ

Snowflakeの課金体系は、創業当時から大きくは変わっていない。前回も触れたサービスの最大の特徴である「計算リソースとストレージ容量の分離」を最大限に活かすべく、利用する計算リソースとストレージ容量に応じて利用料が決まる従量課金形式となっている。電気代や水道代のようなものだと考えてもらってよい。ストレージの方は月次利用TB数で、計算リソースの方はVirtual Warehouses Credits(以下VWC)という仮想単位の価格を時間単位で定めており、最小1分から課金できるようになっている。

https://www.snowflake.com/pricing/pricing-guide/から抜粋。https://www.snowflake.com/pricing/からアクセスしようとすると、なぜか連絡先を捧げるよう誘導されるが、ページそのものは認証を必要としないので、直接飛べばよい。

https://www.snowflake.com/pricing/pricing-guide/から抜粋。https://www.snowflake.com/pricing/からアクセスしようとすると、なぜか連絡先を捧げるよう誘導されるが、ページそのものは認証を必要としないので、直接飛べばよい。

VWCおよびストレージ価格は、Snowflakeのサービスをどのクラウド基盤のどの地域で立ち上げるかで変動する。粗利率を確保するためだが、その価格にはベンダー間でも(AWS/Azure/GCP)地域間でも(Americas/APAC/EMEA)でもかなりのばらつきがあり、スタンダードプランのVWC/時は最安値の$2(AWS米国バージニア州)と最高値の$3.1(Azureスイスチューリッヒ)では実に1.5倍以上の差がある。

(上図)スタンダードプランのVWC/時のプラットフォーム毎の分布図。NはAWS=16、Azure=14、GCP=4で、AWSとAzureの方がカバレッジが広い。(下図)スタンダードプランのVWC/時の地域毎の分布図。NはAPAC=11、Americas=12、EMEA=11。

(上図)スタンダードプランのVWC/時のプラットフォーム毎の分布図。NはAWS=16、Azure=14、GCP=4で、AWSとAzureの方がカバレッジが広い。(下図)スタンダードプランのVWC/時の地域毎の分布図。NはAPAC=11、Americas=12、EMEA=11。

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