Kimiの名はメシア症候群の悲劇
中国のネオラボ月之暗面(英語名Moonshot AI)が発表したKimi K3が話題になっている。
パラメータ数2.7兆のKimi K3は、少なくともベンチマークと下馬評を見る限り、AnthropicのOpus 4.8やOpenAIのGPT-5.5系統といった「半世代前のSOTA」を超えるコスパを実現しているようだ。半年前には「コソコソ蒸留乙の中国勢は言うてSOTAモデルより半年遅れている」と余裕をぶっこいていた西側AIヲタたちの間でも衝撃が走っている。
これまでSOTAモデルの更新はおおよそ以下のような流れで進んできた。
OpenAIないしAnthropicのどちらか(最近はほとんどAnthropic)が、「人類を絶滅させかねないAIを開発してしまった」と宣言し、全体リリースを出し渋る
数週間後、もう一社がサラっとパレート同等なモデルを発表し、トークン制限をやたらとリセットする
ステップ1で人類を絶滅させかねなかったAIもスルッと全体リリースされる
数カ月が過ぎ、人類は滅びなかったので1に戻る
なのでもし第三者がステップ2とステップ4の間にパレート境界から頭一つ飛び出たモデルを提供することができれば、そのラボは一気に顧客シェアを獲得することができる。最近2ヶ月のSOTAモデルのコスパを可視化してみるとよくわかるが、Kimi K3で起きたのはまさにこれである。