コッカラSaaS -これからのSaaSとSaaSのこれから

ニュースレターを始める背景について
らんぶる 2022.01.03
誰でも

なぜ「コッカラSaaS」?

今年からニュースレターを始めることにした。その名も「コッカラSaaS」。これには二つの意味が込められている。

一つは、日本に於いてSaaSはこれからだ、という意味。市民権を得つつあるとは言え、as-a-serviceの中でも一番お手頃なSaaSですら、2021年時点で利用している企業は全体の39%に留まる。コロナ禍というデジタル化の追い風があっても、まだそのレベルである。2022年以降どう伸びていくかはまだ分からないが、業界として伸び代は十分にある。

https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20210614

https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20210614

もう一つの意味は、某不動産デベロッパーの合言葉コッカラッスとかけている。営業の現場での労基を無視した働き方を揶揄する表現のことだ。先ほど市民権を得つつあると書いたが、同時に技術的にはSaaSそのものは枯れつつある。この20年くらいはパッケージソフトウェアで提供されていたものをクラウドで提供する「だけ」でも大変だったので、そこには様々な技術的な工夫や運用面での苦労があった。それも今や昔の話で、2022年、ソフトウェア業界で起業するならば、全部あるいは大体部分がクラウドで提供されることが前提だ。

クラウドで提供することが強みの時代はとっくに終わった今、新しい事業の強みはふたつ考えられる。ひとつは技術的革新を通してビジネス価値を創造すること。いわゆるInvention→Innovation戦略である。もうひとつは、技術以外の部分で戦略的優位性を見つけ、それを愚直に、着実に実行していくことだ。

僕の興味は後者の方にある。正直なところ、前者は分からないので、後者の話をするしかない。こういった「誰に幾らでどうやって売るか」という一連の作業のことを、MBA用語ではgo to market (GTM)と呼ぶのだが、GTMにこそ銀の弾丸はない。もちろん画期的なGTMで勝ったSaaS企業もたくさんあるが、どれも小さな成功の組み合わせと積み重ね、そしてビジネスの定石の深い理解と愚直な改善によるものである。どうやったら架電率を2%上げられるか。メルマガの開封率を3%上げられるか。営業ひとりあたりの予算を5%上げられるか。原価率はあと何%下げられるのかといった小さな努力を積み重ねるのがGTMである。そこにあるのは、まさにコッカラッスの精神と言える。

コッカラッスを科学するーそれがこのニュースレターの趣旨だ。

内容と頻度と課金について(2022年5月1日時点)

890円/月の有料版を作りました。詳しくはこちらのページを参照のこと。

内容と頻度と課金について(2022年1月3日時点)

内容は基本的にSaaS企業の分析となる(たまに他の分野に浮気するかもしれないが)。日本国内外、そして上場済、未上場のどちらも分析対象とする。調査の対象にしてほしい会社があれば、自薦も含め大歓迎だ。その場合はツイッターで連絡してほしい。

僕自身も個人投資家なので、利益相反になってしまうという理由から投資アドバイスは一切しない。分析対象企業あるいは関連企業の株を有していたり、利害関係があったりする場合には、開示可能な範囲で開示するつもりだ。

次に頻度だが、最初は週に1-2回を考えている。今のところ他にもいくつかやらなくてはいけない仕事もある一方、ある程度のノルマを課さないと続けられなさそうなので、この頻度とした。形式などなどはこれから決めていくつもりなので、フィードバックをもらえると嬉しい。

最後に課金だが、どこかの時点で必ずするつもりだ。ただいわゆる情報商材的な悪どい値段のつけ方をするつもりはない。もちろん内容と頻度にもよるだろうが、少なくとも本を買うのと同じくらいの費用対効果は目指したいし、本に載ってないような分析ができれば良いなと思っている。

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