UiPath:ブカレストの友愛、上場への軌跡

ルーマニア随一の大富豪はいかにして生まれたか
らんぶる 2022.12.07
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先週あたまに新型コロナウイルスに罹患し、一週間まるまるダウン、ニュースレター配信の延期を余儀なくされた。この場を借りてお詫び申し上げたい。気がつけば師走、今年も残すところあと一ヶ月を切った。昨年初頭に始めたこのニュースレターも、ひとまずは一周年を迎えられそうであり、読者の方々には重ねて感謝する。

本日分析するのはRobotic Process Automation(RPA)業界のリーダーであるUiPathだ。RPAとは言わばタスク自動化のことであり、Excelに記入してあるデータを別のアプリケーションに入力したり、受け取ったPDFから特定の文字や数字を読み込んでExcelに入力したりといった「かったるいが正確を期すことが求められる作業の自動化」を指す。「これやってくれるバイトいないかな」と思うPC関連のタスクは、99%RPAの担当領域と言ってよい。

私はつい最近までこの分野は完全にノーマークで、UiPathに関しても、なんか欧州発の会社がアメリカで上場したくらいの印象でしかなかった。しかし、いざ調べてみるとARRは$1B(≒1,350億円)を超えているし、元々パッケージソフトウェアから始めてクラウド以降の最中にあるし、ルーマニアで事業を立ち上げて見事NYSEで上場していたりと、なかなか面白い企業であることがわかった。最大顧客の一社が三井住友信託であったり、なぜか豊田市にオフィスがあったり(あとはわかるな)と、日本市場でも大きなプレゼンスがあるようで、灯台下暗しである。

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