SaaSのJカーブが消えた日

新しいSaaSの方程式を探る
らんぶる 2024.10.13
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前回触れたPalantirの株価は順調に上がり続け、二週間後に失効する筆者のプットオプションは虫の息だが、あらためて生成AIがSaaSにもたらす影響について考えてみたい。

崩れるPLGとS(E)LGの均衡

まず明らかなのは、Palantirのようにセールスエンジニア(彼らの符牒でいうところのForward Deployed Engineer)の力量に頼るモデルは、採用プランを大きく見直す必要がある。SaaSの導入プロセスを雑に分類すると、顧客が勝手に使い始めることが可能なモデルと、誰かの手ほどきがあって初めて価値を発揮するモデルのふたつがある。いわゆるプロダクト主導成長(PLG)と営業主導成長(SLG)と分類されるが、SLGという表現には少し語弊がある。少なくとも製品目線で言うならば、営業(Sales)よりも導入の可否を握るのは営業エンジニア(Sales Engineer)であり、PLGと対比する概念としては、SLGよりもSELGの方が実態を反映している。営業が活躍するのは、導入規模・成約率・受注までのスピードといった言わば1→10の部分であり、そもそも導入にいたるかという0→1の視点で言えば、どれだけSEが顧客ニーズと製品基本機能の橋渡しをできるかにかかっている。

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