Docebo:18年越しのイタリアン・ジョブ
昨年生まれて初めてミラノに行く機会に恵まれた。食べ物は美味しいし、街ゆく人はオシャレだし、いたるところに歴史を感じる建造物があり、コンパクトで歩きやすい。ぜひもう一度行ってみたい街だ。その一方で、IT業界に10年以上身を置き、ピーク時には年間100日近く空港で(出張先ではない)過ごしたにもかかわらず、仕事でミラノに行くことはついになかった。
私が寡聞にして知らないだけかもしれないが、イタリアきっての産業都市であるミラノでさえも、IT産業の印象は薄い。OSSデータベースRedisの作者Salvatore Sanfilippoはイタリア人だが、VMWareやRedisLabs(現Redis社)などイタリア国外企業を渡り歩いていたし、シリコンバレーにもたくさんのイタリア人技術者がいるが、イタリア発のグローバルソフトウェア企業となると、名前が出てこない。数年前フィレンツェ発のヘッドレスECプラットフォームCommerce LayerがBenchmarkとCoatueからシリーズAとシリーズBを立て続けに調達して話題になったが、Tier1のVCから調達するだけでニュースになるほど、ソフトウェア産業の孵卵場としての存在感が薄いとも言える。
そのような背景を踏まえると、ミラノで2005年に創業、北米に渡り、14年という年月をかけて2019年にトロント証券取引所(TSX)に上場、コロナ禍突入後の2020年にはNASDAQ Global Select Marketへの登録も果たしたDoceboの存在は、もっと認知されてもよい気がしている。

And still just burn $14m getting there?
Yes, you can
Example: quiet SaaS learning software Docebo: